Floatia Designs FETD-02 Sapphire BassPreamp


Floatia Designs FETD-02 Sapphire BassPreamp
メーカーサイトはこちら



僕の愛用しているプリアンプである。

過去、数々のペダルプリアンプを使用してきた僕の、最終地点と言える最高の1台。
これまで、Sansamp・MXR・Behringer・Crews maniac sound等様々なメーカーのプリアンプを試奏・購入し現場に導入。ライブを重ねてきた自分にとっての理想が限りなく実現されているプリアンプだ。

僕にとっての理想とは

『どこに行っても同じ音が出せる。現場に左右されない音作りを素早く行えること』
『スラップをしても不必要に潰れすぎないドライブサウンド』
『ミドルの帯域を幅広く調整出来るようにポイントを押さえたフリーケンシー』


この3つだ。

ひとつ目はベーシストに限らずいろいろな演奏家が頭を悩ます問題で、その対処として皆アンプヘッドを買ったりしているんだけど、僕はそれを買おうとは思わなかった。

なぜなら、ライブハウスにアンプを持ち込んでも。場所によって置いてあるキャビネット(スピーカー)が様々なので、場所によってはアンプヘッドとの相性が悪いこともある。
そして、大体のライブハウスがアンプヘッドを通す前にDIボックスを通して先にPA卓へ音を送ってしまっているので、その後で作ったアンプの音に僕はかねてから疑問があった。
そして何より、重たいから持ち運ぶのが億劫だからだ。

こうした理由で、僕はもうずっと音作りを足元のペダルプリアンプで作っていた。
上記で挙げたメーカーはどれも優秀で、僕の音作りにおいて非常に助かっていたのは言うまでもないのだけれど、それらを使えば使うほど、ふたつ目の理想を求めてしまった。


この『スラップをしても不必要に潰れすぎないドライブサウンド』というのは、結構好みの問題もあるのかもれないけれど、これまで使ったどのプリアンプもこの理想にだけはハマらなかった。

代表的な例を挙げると、サンズアンプだ。
あのエフェクター自体は素晴らしい音が出て、様々なベーシストが使うロングセラー商品だ。僕も3つのスイッチのやつを数年愛用していた。
しかし、エフェクトをオンにすると若干レンジ、つまり音の周波数帯域が狭くなり低音と高音が削れてしまうのだ。
これがサンズアンプ最大の特徴であり、同時に良い部分でもあるんだけど、このレンジの狭まりがどうしてもスラップするときに「物足りなさ」を感じてしまっていた。

しかし、サンズアンプのドライブサウンドは他のプリアンプには無い。
レンジの広さで言えばCrewsのプリアンプが今までで一番良かったが、ドライブサウンドが作れず、かつ多機能すぎて持て余した。
MXRはディストーションモードにブレンドつまみがついていたが、音が僕の理想とはるかに遠かった。

この葛藤をかねてからベースプリアンプを作りたいと言っていたFloatia Designsに相談したところ、それらを踏まえ解消できるような設計でSapphireを製作したらしく、試作機を試したときには震え上がってしまった。


これが現在、僕が使用しているエフェクトボードである、右上のスイッチのない箱がそれである。


Floatia Designsは、もともとオーディオ機器を作っていたメーカーだけあってか、まずプリアンプ自体のレンジがとてつもなく広い。
試作機はスイッチがないが、のちにスイッチ付きの製品版(冒頭の画像のモデル)も借りて使ってみたところ、オン時とオフ時で音のレンジが全く変わらなかった。
Crewsですら低域がほんの少しだけ削れてたが、このSapphireはそれが全くない。
なさすぎて最初少し音作りに手間取った!

しかし、手間取ったのも一瞬で、ベースとトレブルのEQつまみはAguilarのオンボードプリアンプのようなアクティブベース使いにすんなり馴染んでくれるポイントでいて、そのレンジの広さゆえか、トレブルはかなり上の方の帯域まで攻めた音作りを可能にしていた。

そして何よりドライブサウンドである。
ゲインのつまみを3時以降まで回していくと突如歪んだ音に変わるが、この歪みが素晴らしい。
若干、オーディオ的でこれまでのプリアンプや歪みエフェクターのようなキャラクターとは一線を画すものの、これまで使ってきたプリアンプや歪みエフェクターにあったレンジの狭まりが一切なく、歪ませても低域高域ともに芯が残った音で、これがスラップをした時に特に際立つ。

ものすごく簡単に言うと、歪んでるけど音は綺麗。


この一見矛盾してるような表現ですが、この表現が一番あてはまるんです。

強く歪ませていても従来のエフェクターと違い、低域と高域が削れないので、これまでブレンダーを使って原音の芯を出しながら歪みエフェクターを使ってきた人たちにもオススメだ。
これ一台でドライブペダルとしても優秀なので、この歪みの質感さえ気に入ればその人にとっての最高のものになるだろう。


最後に『ミドルの帯域を幅広く調整出来るようにポイントを押さえたフリーケンシー』だが、これもとてもバランスが良い。
前述の歪み、ベース・トレブルつまみのポイントから必要なところをグッと詰めれるようにしている印象で、フリーケンシーとしては少し高いところにポイントを置いてある感じだが、これもゲインを上げて歪ませた時に生じる音の暴れを抑えやすく出来てて良い。


全体的な特徴としては、歪ませられるプリアンプでありながら、音が硬くなりすぎずベース本来の持っているキャラクターを強く塗り替えるようなものではないので、現状のベースの音作りに悩んでいる人は試す価値ありだ!
所謂サンズアンプのようなド派手で格好いい音のキャラクターが好きな人にとっては若干薄味に感じてしまうかも知れないが、このペダルの持つ安心感はこれまでのプリアンプには無かったキャラクターだと僕は思う。



と、ここまで詳細な感想を綴りましたが、また長くなってしまいましたね。おそらく流し読みでサラサラーっとここまでスクロールした方もいると思います。





なので、みんな大好き女の子で例えます。


サンズアンプがモデル体型のギャル系美女』


ならば


このSapphireは『少し肉付きの良い地味系美人女子』



だ。


どっちが好きかは好みだ!!
そして俺はギャルより地味な子の方が好きだ!!

以上!お疲れ!!!



我ながら分かりやすい例えである!!

とまあ、おふざけはこの辺にして、Floatia Designsのベース用プリアンプSapphireは非常にオススメできる一台です。
ひとつひとつ丁寧に作っているので、ある程度のカスタムオーダーも可能なのがさらにGood!
気になったら是非とも問い合わせてみてはいかがか!?


上のリンクから試奏音源も聴けるので、気になったら(以下略
ちなみに、僕が使用しているものはスイッチレスのモデルで、通常より筐体も小さいモデルである。
基盤の石はオリジナルとは違うものが入っていて、通常よりもロックなサウンドに馴染む仕様になっている。


おいおい、僕のセッティングでのベース音もアップできたらいいな。
いずれやりますので、その時はまた!